2025年11月19日水曜日

未来のアラブ人

以前に図書館で読んだけど

やはりもう一度 

家でゆっくり読みたくなって

「未来のアラブ人」


著者はシリア人の父と
フランス人の母の間に生まれた方です

最初に読んだ時は
父親の仕事の都合で
シリア フランスと住まいを変えて
いったい自分はどこの国の人間??・・・
と思い悩む男の子の話だと思ったけど
(どちらの学校でも苛められる場面があって
とても気の毒💦💦)

再び読むと 話の主人公は
シリア人の父親に見えますね

シリアの貧村出身で
子どもの頃から勉強が出来て 
奨学金でソルボンヌ大学に入学して
論文を書いて「ドクター」を目指すのは
自分の国を 宗教に頼らず教育で
近代的な国に成長させたい
という夢があったから

でも いざ祖国に職を得て
妻子を連れ帰っても
生まれ育った村は あまりにも前時代

いくらフランスで
近代教育を受けたと言っても
なにひとつ変えるなんてできない世界

異文化共存なんて夢物語
価値観が違い過ぎます

フランスの女性が この生活を
よく我慢できたわね~
と驚きながら読み進むと
やはり もう途中から耐えきれず
フランスに戻る決心をします

最初は自信たっぷりだった父親は
だんだんと挫折を重ね
夫婦仲も完全に冷めきって
家族の中でも肩身が狭くなって
どんどん居場所がなくなっていきます

そして そんな威厳も自信も
無くなっていく父親の
最後のよりどころが
・・・
結局 イスラムの神様です

父親がまだ幼い頃に
母親 、つまり筆者のお祖母さんに連れられ
メッカに巡礼に行った話が出てきますが

もう、それが凄い世界で
あの場所に小さな子どもがいたら
絶対に危な過ぎでしょ!
と思って 調べたら
現代は年齢制限が出来たようで
安心しました

バンド・デシネと言って
日本語で言えば 漫画です

でも 凄く中身は濃いです
📖

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