女性の日記です
この病気の特徴の一つは
幻視
あるはずのないものが 見えること
本人の頭の中はいたって冷静で
例えば トースト周りの細かいパン屑が
小さな蟻に見えていたとしても
「これは本物ではない」
と はっきり理解できている
ただの幻なのだから
目をつぶって食べれば良いのでは?
なんて思うのは 当事者ではないから
本当の蟻が群がって動いていた
一瞬でも見たその映像は頭の中に焼きついて
食べることなんてできません
「目の錯覚」とは全く違うリアルさなんです
居間のドアを開けたら
見覚えのない男が立っていて
無表情な顔で自分を見つめていたら
まず 心臓が飛び跳ねて 腰が抜けて
悲鳴をあげたくても声が出なくて・・・
(あ、これは病気が見せている幻覚)
と分析できるのは 数分経ってから
症状は幻視だけでなく 幻聴、幻臭も
何かを 見たり、聴いたり、嗅いだり
日常の行動全部に 幻か本物か?と
悩まされる毎日は心に負担をかけ
うつ状態の精神になるのは当然です
作者が発症したのは50歳だけど
それ以前は「うつ病」と診断されていました
投与されたうつ病の薬が本人に合わず
(病名が違うので当たり前)
より一層 本人を苦しめていたんです
症状に悩み 怯えながらも
その様子と心情が丁寧に綴られた日記
知的で真面目な人柄が伺えて
作者の方は きっと病気になる以前から
誠実な人柄だったのだと思います
「認知症」と言う病名は 時に
「人格が壊れてしまう」ことを想像させますが
この病気は それは無いと思いました
どんなことも 記録は貴重な財産ですね
健康も 弱った時に支えてくれる家族も

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