チョコレート続きになるけど
私が子どもの頃 チョコレートに入っているナッツは
ピーナッツかアーモンドが定番で
カシューナッツを知ったのは少し後から
まして「ピーカンナッツ」なんて
全く知らなかった
ピーカンの名を初めて知ったのは
トルーマン・カポーティの
クリスマスの思い出という短編です
「ほら、フルーツケーキの季節が来たよ!」
明るい声で僕は起こされる
11月も末の寒い朝
僕は7歳 声の主はいとこの女性で
年齢は60歳を過ぎている
ちいさな男と子と 初老の女の人
それから一匹の犬が
大きなお屋敷の隅の方で暮らしてる
彼女は毎年クリスマスのために
沢山のフルーツケーキを焼く
僕と犬はそのお手伝い
まず初めにやることは
森に行ってピーカンの実を集めること
説明は無いけど
女性の半生は辛いことが多かっただろうし
「僕」には両親がいない
犬は もうずいぶんと年を取っている
立派な屋敷に暮らしているけど
女性は家族の誰からも顧みられず
遠縁だからという理由で引き取った
孤児のことも誰も気にかけていない
大勢が暮らす大きな家
そこから切り離されてしまった二人が
実に仲良く楽しそうに
クリスマスの準備をする様子が描かれます
心無い家族から辛辣な事を言われ
メソメソ泣いてしまう60過ぎの女性に
7歳の男の子が慰めの言葉をかけます
「もう大人なんだからさ、泣いちゃいけないよ」
泣き止まずに彼女が答えます
「私が泣くのは 大人になりすぎたからだよ」
真っ先に二人が集めたピーカンの実が気になって
今もお菓子の原材料に
「ピーカン」や「ペカン」の文字を見ると
この話を思い出します
ここに収録されていた短い話です
凄く読みやすくて どこかで読んだ文体・・・?
と思っていたら
「村上春樹訳」でした 納得
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