2025年3月10日月曜日

サキの忘れ物

「あんなふうに おばさんでも

一人で喫茶店でクリームソーダを飲むこともあるんだ」

冒頭のこの文章に

(え?えっと・・・ 私は60代後半でも

クリームソーダは凄く好きなんですが😋 )

とツッコミを入れたくなってしまったけど


物語の本筋は そこではなく
お店でアルバイトしていた若い女の子の
(年を取れば 誰もが自然に
大人っぽい落ち着いた飲み物を飲むと思っていた・・・)
という胸の内に繋がる

クリームソーダを頼んだかと思えば 
別な日にはコーヒーだったり
この謎めいた(?)雰囲気の年配の女性が
ある日 この喫茶店に文庫本を忘れてしまう

その文庫本は「サキ短編集」

サキというのはイギリスの短編作家 
「欧米ではオー・ヘンリーと並ぶ短編の名手」
と紹介で書いてあったけど
私は全く知りませんでした
サキと言う名前ですが男性です

バイトの女の子は ふと
その本を読んでみたくなった

その子は それまでの人生で
最後まで読めた本は一冊も無かった

何かに夢中になれたことも無いし
高校も途中でやめてしまった
それでも何故か その
「サキ短編集」は読みたくなった

この出来事が 彼女の日常を
少しづつ変えていく

この文庫本に特別意味のある話が
あったというのではなく
この本の持ち主との出会いや
何気ない会話のやり取りが

(誰からも顧みられず 何も教えて貰えず
まともに本も読めない人間)
自分の事をそんな風に思っていた
若い女の子の心を変えていく

そういう話でした

「読み通すことが出来なかった本」
私も経験がありますが
これは軽く 苦い思い出になりますね~😔

その本が 難しいとか つまらないのではなく
自分に根気がないなぁ😖と思ってしまうんです

この「サキの忘れ物」も短編集です
津村記久子と言う作家も初めて知りました

一人の人間でも 一冊の本でも
何かに出会うことが
人生を変えるきっかけになる・・・
そう思わせてくれた話でした
📙

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